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2009-06-29 22:32 | category:つれづれ
新聞紙面相談欄の相談内容とその解答について
思ったことを少々。
(面白くもない話なので、面倒な話は結構!な時には
スクロールナシで)








相談内容の概要は以下のとおり。
恋人と結婚する予定だが、自分は本家の一人娘で
あとを継ぐ必要があり、相手も承諾してくれているので、
j結婚後は相手が婿に入る形になる。
しかし相手が長男であることを理由に相手方母がこれを拒否。
相手方家には次男がおり、
次男が相手方家を継ぐことを肯定しているので、
これを前提に相手方母と1年ほど話し合いを続けたが、
平行線なので勝手に婚姻したいが身勝手か。

これに対する弁護士の解答の概要は以下のとおり。
家を継ぐ継がない等言う双方の言い分はいささかか古い考え方ではないか。
また、自家の都合ばかりを優先するのはよくない。
しばらくは事実婚(内縁)をし、夫婦仲よいことをアピールし、
相手母の態度が軟化するのをまつのはどうか。
そしていよいよ子ができたら婚姻すればいいのではないか。

一般人として言えば、相談者はどうかしてると思うし、
法律特に家族関係のそれを仕事のタネにしている身から言わせてもらえば、
解答者もどうかしていると思う。


相談者について言えば、
解答者も言うように、自家の都合を押し付けすぎだと思う。
婚姻は決して自分たちだけで完結するものではないと思うからこそ、
相談者も相手方母の了承を得ようと勤めてきたのであろうハズなのに、
なぜ自分の都合だけを押し付けようとするのだろう。

どんな旧家であろうとも、引き継ぐべきは名ではなく体だと思う。
家の存続を必要不可欠とするような旧家や名家なのであればなおさら、
その家柄が持つ名誉に恥じないような行動が必要で、
それはより広い意味での思いやりや配慮も含むものだと考えられる。
代わりに継ぐ者がいるからそれでいいではないか、と言う問題ではなく、
長男にと望む相手方母の気持ちがなぜ汲めないのだろうか。
無理に婚姻することが相手方母と配偶者の関係を断絶する可能性を
考えないのだろうか。

そもそもいかな旧家や名家といえども、
現実に直系ではない者がその家を継いでいることもある。
守られるべきものが守られていれば、名や血は関係ない。
「継ぐ」ことを考えるのなら、本質を捉えるべきだと思う。
そうしなければ、内心のうちに、
自家は特別で、他家はそれ以下であるという評価があり、
それに基づく行動だとただ誹られても仕方がない気がする。



解答者について。

およそ弁護士と名のつく法律のプロが、
事実婚を推奨することはいかがなものなのか。
確かに、内縁は現在、共同生活に関する婚姻効果を中心に
多くの保護を受ける関係である。
 
しかし、共同生活開始後に仮に一方が死亡した場合、
双方に相続権は発生しない。
遺言を残しておけばいいと言うかもしれないが、
若い者がそういった自体を想定して、
遺言することなど普通はありえないし、
これを強制することもできない。
また遺言があったとしても、遺留分の問題がある。
遺産分割協議において、
顔を付き合わせた両家がもめるのは必須と言え、
一方の死後まで問題を継続することとなり妥当ではない。
 
そして一番の問題が、子どもができれば婚姻したらよい、
と言う安易な考えである。
この弁護士は、どうやら子どもができるまではしばらく間があって、
その間に相手方母の態度が軟化することを想像している節がある。
しかし、事実婚をしている男女に子がいつできるかは不明であり、
相手方母の気持ちが軟化しない間に子が出来た場合、
何の問題の解決にもならない。
子ができた時になり、
子の嫡出性の付与のため婚姻せざるを得ないのだから、
さあこちらの要求をのめ、ということになりかねない。
それでは何のための事実婚の先行なのだか、全く意味がわからない。



この相談者が言う「婿入り」こと自体、
ただ単に夫婦の氏を妻の氏とすることを意味するのか、
それとも、夫となる者を養子縁組することを意味するのかがわからない。
もし夫となる者を養子縁組するということなのであれば、
確かに成人男性が養子縁組をする段、
その親の同意を得なくても法的には何の問題もない。
しかしその一方で、
夫となる者の母については
法律上大きな影響が生じる場合もある。
よって、夫となる者の母の意思を無視して、婚姻、養子縁組、
またそれを前提としての事実婚をすることはあってはならないだろう。

なお、夫となる者の母の精神的な問題にも配慮すべきだろう。
まさに自分の手塩にかけて育ててきた(執着振りからするとそう推察される)
息子が、完全に(法的に)他人の息子になると言うことである。
その心中推して知るべし、である。
なおのこと、勝手な振る舞いは避けるべきだろう。

以上の問題がない(単に妻の氏を夫婦の氏とするだけ)としても、
やはり相手方母の意思を考慮せずに
事実婚を含めた形態をとることは望ましくない。

私としても、解答者が言うように、
名にこだわる、家を継ぐという感覚があること自体を
ナンセンスだと思うが、
それは個々人のものの考え方によるので、
否定できないことも確かである。
しかしそうまで古風な考え方を貫くのであれば、
婚姻が両者だけにとどまらず、
家同士のつながりをも有することに配慮してはどうか。

最終的に夫となる者が
「婿入り(ここでは単に氏を名乗る、養子縁組する双方を意味する、以下同じ)」
することになるとしても、
相談者の様子だと差し迫った必要がないと思われる。

それならば、相手方家(特に母)の体面も考えて、
まずは相手方氏を名乗る形で婚姻してはどうなのだろうか。

相談者の家に「婿入り」することが前提の婚姻なら、
相談者の家にべったりの生活になるのだろう。
「とられた」感じを緩和させるには、
せめて氏くらい、一旦相手方家のものを名乗るしかなかろう。

相手方母の態度を軟化させるのは、
夫婦仲のよいことを証明することや時間の経過、子の懐胎ではなく
譲歩が必要であろうし、効果的だろう。
その譲歩を一時的な氏の選択として先に提示するべきだ。
そうすることで、相手方母の溜飲も多少はさがるのではないだろうか。

そして必要な時節がくれば、
妻の婚姻前の氏を夫婦の氏とすればよいのだ。
(一般的に言えば親は必ず先に逝く。
妻の婚姻前の氏を夫婦の氏とすることの意味が、
相手方母が死亡してからでも十分に達成できるならば、
その時まで待つのもいいだろう。)



*補足*
問題は、相手方氏を夫婦の氏としており、
この夫婦の間に子があり、
その上で相談者が死亡した場合かもしれない。
この場合、相談者の家族は夫婦の子に
家を継がせたいと思うかもしれない。
相続法においては代襲相続としてこれを可能とするから、
実質的な意味ではその思いは達成される。
しかし氏については、そうはいかない。
どうしても氏をその子に継がせたいのであれば、
養子縁組をするしかなかろう。

また、子が未成年の場合には、例えば
夫となる者の家と相談者の家とで
どちらが子の養育をするかで問題となるかもしれない。
しかし、子の父はあくまで夫となるものなのであって、
どちらの家ということではなく、
子の意見を尊重した上で、
子の父が責任を持って育てることになる。
その際に子の父がどちらの家の協力を仰ぐか、
あるいは双方の家の協力を仰がないかは、
子の意思と父の意思が尊重されるべきであって、
両家が自家の都合をもって口を挟むことではない。

なお、仮に両家の孫世代が死亡した相談者の子だけであっても、
両家をどう「継ぐ」かについての判断をするのは
子の意思によるべきなのであって、
両家が自家の都合を基に子を縛るゆえんはない。

あえて子にどうしても自家を継ぐことを求めるのならば、
両家は子の意思決定を損なわない形で
十分に説明をし、子が選択した方の家と養子縁組をするしかない。


ちなみに我が家の母方の家は、300年以上続く旧家ですが、
「継ぐ」ことについてのこだわりは誰にもなく、
現在も直系でない者が「継いで」います。
秘密

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